カナダに腰を落ち着けて生活しじっくり学ぶことで、より英語力の向上が期待され、進路の幅を広げることができます。 卒業するために費やされる努力は並大抵のものではありませんが、自分の責任で物事を考え行動する力を身につけることは、生徒にとって一生の財産になるでしょう。

高校1年生から留学する場合

留学開始のタイミングは、中学3年生の場合もあれば、高校2年生の場合もあり、特に決まりはありませんが、ここでは、高校1年生から留学を開始する場合を紹介します。

  • 日本出発
  • 実践的な英語力を鍛える
  • 課外活動に参加する
  • 卒業後の進路を考える
  • 進路を見据えた科目選択をする
  • TOEFLやIELTSを受ける
  • 大学出願
  • 海外大の場合:卒業前にビザ申請
  • 日本の大学の場合:帰国後に受験

受けたい授業を選択する

9年生までは国語(英語)、数学、社会、理科の必修基礎科目の学習が中心で、10年生から選択科目が多くなります。
自分の将来の目的や進路を考えながら、数多くの授業の中から履修する科目を選択しなければなりません。同じ学年でも生徒によって受講するクラスはざまざまです。

多様なニーズに応えるため、バラエティに富んだ選択科目が用意されています。 個性を尊重するカナダでは「苦手科目を克服しよう」とは指導されません。それぞれの興味と能力に見合った科目を選べるので、意欲的に学ぶことができます

英語や数学などの基礎科目には能力別のクラスがあります。州にもよりますが、同じ学年でも3~5レベルに分けられるため、自分の力にあったクラスを選ぶことができます。

卒業資格と大学出願資格を得るための科目

高校卒業資格は州ごとに異なります。ブリティッシュコロンビア州では高校1~3年の3年間で80単位の取得が求められる一方、オンタリオ州では中学3年~高校3年の4年間で30単位が必要です。

ただし、取得単位数の違いだけで難易度は比べられず、必須科目などさらに細かい決まりがあります。卒業資格の取得条件は、それぞれの学校から案内がありますが、内容を理解していないと、予定している時期や期間内に卒業できない事態になる場合があります。また、大学に出願する際に取得しておかなければならない単位があります。

◆卒業後の進路

■カナダなど海外の大学に進学
海外留学を経て、海外の大学へ進学する生徒はそれほど多くはありません。海外の大学へ進学するには学力面でも経済面でもハードルは高めです。

カナダの高校を卒業した後に海外の大学進学を目指す場合は、毎日の学校の勉強や課題にきちんと取り組むことが第一です。そのうえで、進学のためにはどの科目を選択し、その科目でどのような成績を残したかも重要になります。

CAPの卒業生の半数以上は、高校卒業前に大学からの入学許可を得て海外の大学に進学しています。トロント大学やマギル大学などの難関大学に進学した生徒も多数います。

<CAP卒業生のおもな進学先>
McGill University 
University of Toronto 
University of British Columbia
University of Ottawa
University of Victoria
York University
University of Waterloo
Emily Carr University of Art and Design  など


■帰国して日本の大学に進学
日本の大学に進学する場合は、帰国生を対象とした入学試験を受けることになります。
私立大学は9月頃から、国公立大学は11月頃から入試が始まります。それぞれ大学によって出願資格は異なるので、早めの情報収集をおすすめします。

<CAP卒業生のおもな進学先>
東京大学 京都大学 大阪大学 
筑波大学 慶應義塾大学 早稲田大学 上智大学 国際基督教大学(ICU) 
学習院大学 青山学院大学 立教大学 中央大学 法政大学 同志社大学 
立命館大学 関西学院大学 など

日本の在籍高校への復学を前提として1年間留学します。行きたい地域や自分に合ったクラスを自由に選択することができます。カナダの高校は、スポーツや芸術、コンピューターに力を入れるなど学校によって特色があり、英語で生活しながら自分の興味や知的好奇心を追求することができます。

在籍高校により留学の単位が認められないことや、単位認定のための教科が指定されることがあるので、必ず事前に学校に確認してください。

◆多彩なクラス選び

必修科目以外にも、ダンス、バンド、コンピューター、料理などさまざまな選択科目があり、興味のある科目をコーディネーターと相談しながら時間割を決めていきます。

英語力が十分でない場合にはESLのクラスも受けることになります。

必修科目の国語(英語)、社会や理科など難しい科目は、自分の学年より下の学年のクラスを履修することもできます。もし、数学やコンピューターなど得意な分野があれば、許可を得て自分より上の学年のクラスを選ぶこともできます。

在籍している日本の高校が、留学中に履修しなければならない科目を指定している場合もあるので、在籍高校の留学に関する決まりを必ず確認してください。

◆柔軟なスケジュール

出発時期はある程度柔軟に決められますが、日本の学年とカナダの学期を考えると、9月、2月、4月に出発する場合が多いです。

2月と4月出発を選ぶ場合は、前期(9月~1月)と後期(2月~6月)があるセメスター制の学校を選ぶことになります。

9月出発  ▶︎セメスター制またはリニア制の学校
●9月の新学期から始める
●ウォームアップしたい場合は7、8月に英語コースを受けることもできる
●留学時点の英語力により、授業の一般科目と並行してESLのクラスを受講することも
2月出発  ▶︎セメスター制の学校 後期→前期
●日本の高校の2学期を修了してから留学し、翌年の3学期から復学
●セメスター単位で学習科目が独立しているため、不都合なく1年間の学習ができる
4月出発  ▶︎セメスター制の学校(学校区は限られる)後期後半→後期前半
●日本の学年に合わせて4月に出発し、3月に帰国
(カナダの高校の後期の後半から受講し、翌年の後期の前半で途中帰国する)
●取得できる正式な単位数は限られるが、日本の学年に合わせて留学できる

◆英語力に不安があっても心配はいらない

カナダに到着したその日から英語でのコミュニケーションが始まるので、英語力があるにこしたことはありません。中学卒業程度の基礎的な英語力はあった方がよいでしょう。しかし、カナダの公立校にはESLのクラスがあるので、留学前は英語力に不安があっても心配いりません。

進学系私立校を希望する場合は、英検準1級かTOEFL80くらいの実力があると、学校の選択肢が広がります。

基礎的な英語を身につけるためのESL

各高校にはESL(English as a Second Language)またはELL(English Language Learner)と呼ばれる留学生のための英語クラスがあります。

英語のレベルは学校独自の評価基準があり、オリエンテーションまたは事前のオンラインで受けるアセスメントテストの結果で、どのレベルから始めるかが決まります。

ESLの内容や形式、受講期間は、生徒の英語力を含め、各州の制度や地区の方針により異なります。レベル分けされたESLクラスを設けている学校へ行く場合、ESLのクラスを終えるために必要な期間は、生徒の英語力などにより異なります。

カナダでは高校卒業資格を得るために、English12という科目(高校3年の国語)を履修しなければなりません。また、この科目は海外や日本の4年制大学に出願する際には必須です。
高い英語力を必要とするEnglish12の単位を卒業までに取得しないといけないので、必然的に英語力は身につくと考えられます。高校入学前に語学学校に行く必要は必ずしもありません。

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