学校を選ぶ前にぜひ次のことを知っておいてください。

  • 学校の希望は出せますが、最終的な学校は学校区が決めます
  • 学校によって卒業後の進路に有利・不利はありません
  • 将来の進路を考えるうえで最も重要なのは卒業の仕方です

多くの生徒が日本からカナダの高校へ留学していますが、大学出願資格(大学入学資格)を得られている方は1割程度といわれています。カナダでは、自分の将来は自分で考え卒業の仕方は自分で決めなければなりません。必修科目では能力別クラスが設けられ、就職用の実務クラスも多くあり、同じ学年でも日本のように全員が同じようなクラスを履修するわけではありません。

卒業後の進路が大学進学である場合は、学校選びの段階から、大学出願資格を得るためにはどのクラスを選ぶ必要があるのか、また、その単位を取得できる期間はどのくらいかなどを考慮に入れることが大切です。

カナダには日本の文部科学省にあたるような国全体を管轄する行政機関はなく、各州の教育省に権限が委ねられ、それぞれが教育カリキュラムを決めています。
各州の教育省は人口の割合に応じて州全体を学校区に分け、各学校区に教育委員会を設置し、小学校や中学・高校を管理・運営しています。
どの州でも教育省に認可されていない授業は実施できず、主要教科は公立私立を問わず同じに内容になっています。

学期は「リニア制」と「セメスター制」

学期にはリニア制とセメスター制があり、学校区や学校によって、リニア制かセメスター制かが決められています。9年生まではリニア制で10年生からセメスター制になる学校もあります。

リニア制は1年間かけて8教科をじっくり学びます。 セメスター制は、前期(9~1月)に4教科、後期(2~6月)に残りの4教科を学びます。

9月〜6月に学ぶ
ESL、ESL、数学、社会、理科、音楽、国語(英語)、体育
9月〜1月に学ぶ2月〜6月に学ぶ
ESL、数学、社会、理科ESL、音楽、国語(英語)、体育

より深く学びたい人のためのコース

カナダの高校にはいくつかのの特進クラスがあります。すべての学校ではありませんが、公立校でも私立校でも設置されています。

「オーナーズ」「エンリッチト」「PGL」などの一般教科をより掘り下げて学ぶクラスや、IB(国際バカロレア)、AP(アドバンストプレイスメント)など大学レベルの学習ができるクラスがあります。希望して受けられるわけではなく、これらのクラスを受講するためにはそれまでの成績が評価されるほか、教員の推薦やクラスを取るための試験が設けられています。IBやAPは、成績によっては大学入学後に大学の単位として認められます。

IBやAPのある学校が良い学校と思われる方が多いのですが、これらのクラスを取らなくても大学出願資格は得られます。

留学生にとっても比較的簡単なクラス

大学レベルのクラスだけでなく、難易度の低いクラスがある学校もあります。国語や数学などの主要教科は能力別クラスが設けられている州もあり、就職用国語、就職用数学などもあります。卒業を目指す生徒にとっては卒業しやすいクラスですが、卒業できても大学出願資格を得られないので、よく考えて選びたいところです。

◆正しく理解したいESL

ESL(English as a Second Language) は「留学生の基礎英語コース」などと言われ、英語力がなくてもこのクラスがあるため留学が可能になっています。しかし、ESLの仕組みは非常に分かりにくく、州や学校によっては卒業までに想定以上の年数がかかったり、卒業を断念してしまうことさえあります。
ESLの仕組みはインターネットなどでもあまり説明されていないので、CAPの説明会などでご相談ください。

日本人の割合にこだわりすぎると思わぬことに

日本人が少なければ日本語を使う機会が減って英語力の大幅な向上が見込めるに違いない、というのが多くの方が抱く期待です。しかしそこにこだわる必要はあまりありません。高校留学は語学留学ではないので、どの学校を選んでも日本人割合が1割を超えることはなく、地元の生徒が通常8〜9割程度を占めます。日本人がいない、または少ない学校を探して行ってみたら全校生徒の半数以上が日本人以外のアジア人の学校だったというケースもあります。

ブリティッシュコロンビア州

西側は太平洋に面し、東側はロッキー山脈の手前に位置しています。冬の寒さは他の州ほど厳しくなく、過ごしやすい気候です。
アウトドアスポーツが盛んで、冬にはスキーやスノーボードなども楽しめます。
日本人留学生の受け入れ経験が長く、なじみやすい土地柄です。

  • バンクーバー学校区
  • ニューウェストミンスター学校区
  • ウエストバンクーバー学校区
  • シートゥースカイ学校区
  • グレータービクトリア学校区
  • スーク学校区
  • ガルフアイランズ学校区
  • ナナイモ・レディースミス学校区
  • クオリカム学校区
  • コモックスバレー学校区
  • カウチンバレー学校区
  • チリワック学校区
  • アボッツフォード学校区
  • ラングレー学校区
  • メイプルリッジ・ピットメドウズ学校区
  • ロッキーマウンテン学校区
  • バーノン学校区
  • オカナガン・スカハ学校区
  • カムループス・トンプソン学校区

◆アルバータ州

ブリティッシュコロンビア州の東隣に位置し、西側にはロッキー山脈、南東部には恐竜の化石が発掘されるバッドランドが広がっています。有名な山岳リゾートのバンフは、世界中から旅行者が訪れています。年間を通してさまざまな文化的なイペントが行われています。
公立校のIBスクールが多くありますが、高校卒業がカナダで最も難しい州です。

  • エドモントン公立学校区
  • カナディアンロッキー学校区
  • レッドディアー公立学校区
  • ゴールデンヒルズ学校区

◆マニトバ州

北アメリカ大陸の中心に位置するため「Heart of Continent」と呼ばれています。広大な平原が広がり農業がさかんな土地です。晴天の日は多いものの、極北地域を除いて北米で最も寒い地域で真冬にはマイナス30度以下になることもあります。人口の約半数は州都のウィニペグに集中しています。

  • ペンビナトレイルズ学校区
  • リバーイーストトランスコナ学校区

◆オンタリオ州

ケベック州に次いでカナダで2番目に面積が大きく、全人口の3分の1の人が暮らしています。カナダ最大の都市トロントや首都オタワがあり、人口はこの2都市に集中しています。湖や川が多く、ナイアガラの滝があるのもこの州です。
夏は30度を超えることがある一方、冬はマイナス10度以下になることもあります。

  • オタワカールトン学校区
  • トロント学校区
  • ヘイスティングス&プリンスエドワード学校区
  • ウォータールー・カトリック学校区

◆ノバスコシア州

バンクーバーよりイギリスに近く、イギリスの影響を色濃く受けた地域です。海に囲まれた自然豊かな土地で、四季を通じてセイリング、ウインドサーフィン、水泳、ハイキング、ゴ ルフ、スキー、スケート、ホッケーなど数多くのスポーツが楽しめます。
ESLがない学校が多いです。

  • ノバスコシア州教育省

◆ケベック州

カナダで最大の面積をもつケベック州は、フランスの文化が色濃く残っています。公用語は英語とフランス語ですが、街で目にする言葉はフランス語がほとんどです。
学校教育も英語とフランス語のそれぞれで行なわれています。

  • レスター・B・ピアソン学校区
  • プリンスエドワードアイランド州
  • プリンスエドワードアイランド学校区
  • ニューファンドランド&ラブラドール州
  • ニューファンドランド学校区

カナダの高校で学ぶ魅力は、一人ひとりの個性が大切にされ、生徒が得意分野を伸ばせることにあります。留学生も例外ではなく、さまざまな特別プログラムを受けることができます。

サッカー、野球・ソフトボール、アイスホッケー、乗馬、カーリングなどのスポーツを授業の一環として取り組む。
栄養学やリーダーシップなどに関連する科目もある。

絵画、彫刻、ダンス、声楽、演奏などアート系のクラスはたいていの学校にある。
学校によっては、より深く学べるコースを設けているところもある。

ソフトウエア・プログラミングやネットワーク・システムなど。
IT関連の資格取得ができるコースなどもある。

私立校は、少人数で独自の教育方針に基づいた教育を行なっています。多くは中高一貫で、大学進学を目指す進学系私立校から、生徒のほとんどが留学生で占める留学生高校などさまざまです。留学生の受け入れは、各学校で独自の試験や面接、成績審査の基準などがあります。

進学系私立校を選ぶ際に注意したいのは、能力別の易しいクラスがないことです。授業についていけないと退学勧告を受けることもあります。また、ESLがない学校もあります。

教育カリキュラム自体は各州で決められているため、基本的な学習内容は私立校と公立校で変わりはありません。 CAPでは、一般的には能力別のコースを幅広く提供している公立高校をおすすめしています。入学基準はさまざまですので、私立校をご希望の方はお問い合わせください。

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